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2013年2月5日火曜日
ぱんだコート
だいぶ日の光が明るくなってまいりました。もうすぐ春ですね。
昨日に引きつづき、年末年始に製作していた冬コートの
全体のデザインについて本日はご紹介したいと思います♪
黒と白の色から成るので、名前は「bwコート」。
またの名を「ぱんだコート」です。
前
マントとかポンチョとかのAラインて好きなんですが、
袖がないのでかばんを持つとき不便なんですよね…。
なのでそのシルエットに袖をつけた!というイメージの形です。
後
白い裏地の丈を表地丈より長くしています。
写真ではわかりづらいですが、オフホワイトの裏地はニットに合わせて使われるものなので、
ドレープ性が高く、またキラキラと光を反射するとても柔らかな肌触りの布です。
左胸ポケット
ポケットは機能的かつデザインに使うと効果的なんじゃないかな?と
思っているので、片方だけつけてみました。
あっ、男の子っぽい服を目指しているので、打ち合わせは左前にしています。
ボタンホールをお願いするときはいつも「左前でいいの?」と念を押されちゃいますが、
いいんです♪
あと、両脇にもシームポケット(脇目につける外からは見えないポケット)つけています。
祖母のポケット好きが確実に遺伝しております…。
ハーフラグラン袖
ベストに袖をつけちゃった!みたいな形を以前から模索していて、
そうすると通常のセットインスリーブとラグランスリーブの中間になりました。
発明!と一人喜んでいたのも束の間、この形が「ハーフラグラン袖」だということを
後日知り、まだまだだなと自分をいさめつつ…。
比翼
外から見えるボタンは一番上のボタンだけで、あとは隠れる作りにしています。
この作りを「比翼仕立て」と言います。
ボタンは何を使うかいろいろ迷いましたが、黒地に大きめの水玉のイメージで
最終的にただ丸い白(オフホワイト)のボタンになりました。
見えるボタンだけ他のより少し大きめです。
力ボタン
表ボタンにはかなり力がかかり、それを留めつけている布地にも負担がかかって
痛みやすいので、その力を負担するために使用するのが表ボタンの裏に留めつける
「力ボタン」です。小さいけれど力持ち、いい名前ですねぇ~。
通常目立たない色(透明・黒)のものを使用しますが、
最近カラフルなものがはやっているのか、仕入先の布地屋さんにドロップみたいないろんなカラーのものが売られていたので、早速買って使ってみました。
赤は色が強いので4つのうち1つだけ、後は紫を使いました。
後台衿
通常衿をしっかり立たせるためにつける台衿(白)。今回はほぼデザイン目的なので、
裏衿だけにつけています。台衿の色を換える「クレリックシャツ」などもありますが、
コートですると驚かれますかね~。パターンの先生には叱られそうですが…。
ジャケットなどでも消し台衿と言って、このように見えないヶ所を台衿にして、
衿をしっかりさせる作りもあります。その場合は表も裏なんですが。
見えない所でいろんな操作をしてより立体化させる操作がパターンの魔力いや、魅力!
う~
ずっぽりはまっております。
デザインとパターンはどちらかというと相反する要素が多分にありますが、
融合させていくこともできると思うんですよね♪
今回作っていてわかったのですが、たぶん今わたしが追っているものは
そのあたりですかね?
もう冬も終わりに近づいてますので、このぱんだコートはサンプルとなります。
もし今年の秋冬に着たいぁ…と思っていただけたら、下記のお店のホームページより一度
お問い合わせください。ご質問などもお気軽に♪
(お問い合わせはこちら)
流行では一切作っていないというか、作れない体質ですので、たぶん10年後ぐらい
でもわたしはこのコートを着ている可能性あります♡
春はたくさん長袖Tシャツを作る予定ですのでお楽しみに~。
2013年2月4日月曜日
衿ふたたび。
皆様、お、お久しぶりです…。
前の更新が昨年の11月15日…。
うぅ…
ブログをまめに更新できる人になりたい…店主です。
でもですね…
じゃん!
できましたよ~コート。
詳しいデザイン紹介は次の更新になりますが、本日はふたたび「衿」のお話です。
一つ前の投稿を見てみると、そのときもトアルでかなり衿に苦しんでいたわたしですが…
そんなのこれから始まる衿地獄の序章だった訳です!
そうわたしを苦しめたのはこの布の厚み。
う~ん布1枚で約3ミリほどはありましょうか?
そして厚手の芯地を貼った衿が4枚折り重なると…
12ミリは確実にあるので、とてもトアルの布の厚みの計算ごときではきれいに仕上がらないのです!
本番の布なのに4回?いや5回ほどやり直しました。
本番の布なのに…。
でも衿だけは妥協できないんです…。そうプログラムされているのです。
前も
横も
後ろも
はまる所に、きちっとはまらないと気持ち悪くて仕方ないのです…。
そう…
わたしは完全に、パターンおたくだった!と気づいてしまいました。
(自分でもここまでひどい自覚がなかったもので…。)
いつかこのおたく枠から飛び出せたらよいのですが、
現時点ではまだまだ勉強が必要なので、しばらくつづくと思います。
あっ、ちなみに後衿をめくると、
白い布で切り替えていますよ♪(裏衿のみ。)
衿のパターンだけでなく、縫製、裏地ものの作りについていろいろ考えることができましたので、次のパンツスーツのジャケットを作るときのすごくよい勉強になりました。
かっこいいスーツ目指しますのでお楽しみに~♪
2012年11月15日木曜日
うみのくるしみ。
全く更新しないかと思ったら、次は立て続けに更新してしまう
とてもバランスの悪い店主です…。
さて…
その昨日ご紹介した現在作成中の「コート」
袖にデザインを集結させてしまったため、
そのインパクトにどうしても襟の印象が負けてしまう…。
でここから
↓
小さくなり(襟を立てた形を考えてみましたがボツ)
↓
重ね合う形にしてみたり(レトロすぎるのでボツ)
↓
ここに至るまでにすでに20回ぐらいやり直して(写真を撮る余裕もございません)
訳がわからなくなってきて 、
「襟は本当に左右対称であるべきか?」という問いにいたり
↓
「いやいやそれはいくらなんでも」とわずかに残る理性が働いて元に戻ってみたり
↓
「えっ、やっぱオモシロクないよね~」ということでまたひとつ前に戻る(すごろく?)。
で、最終形がこれ
「あがり!」もとい、「決定!」
ん?
ええ…
たぶん…です。
ここまでで30回以上はやりなおしていると思います…ちゃんと数えてないけど…。
トアル(試し用の布)で組むのとほんちゃんの布で組むのとではまた印象が変わるので、どうなることやら…♪
2012年11月14日水曜日
おひさしぶりでございます。
更新が途絶えて…4ヶ月………。
うむむ…
わかってはいたけれど、本当にブログに向いてませんね、わたし。
そんな駄目店主ですが、しばらくおつきあいいただければ光栄です。
さて…
ただ今製作中なのは「コート」
袖をセットイン(普通の袖)とラグラン(衿ぐりにつながっている袖)の
中間の形で作ってみました。
まだトアル(←試し布(絵でいうところの下書きみないな感じです。))ですが。
どうでしょう?
着るとなんだかロボットみたいですよ♪
裾は裏地が見える予定。
前見返しとどうつなげるかが鬼門でした。
でも、できない形なんてこの世にないのだぁ~
と、無理やり自分に言い聞かせながら日々突き進むのであります。
でもその後、襟の製作でさんざん苦しむことになるなんて
よもや思ってもいないのんきなわたしなのでした………。
2012年7月7日土曜日
魔法のパンツ
現在大阪は、稲妻がぴかぴかしたり、大雨が降ったり止んだりで嵐の夜です。
全国的にも嵐の梅雨ですね。
皆様も事故や体調などにはくれぐれもお気をつけください。
さてさて
デザイン性の高い、いわゆるモード系と呼ばれる服が好きなわたくしですが、
デザイン性が高いゆえに、おトイレしにくかったり、
デザインに合った素材選び寄りになりすぎていて、
着ていてストレスが溜まるなんて経験も多々ございました。
せっかく買ってもその後着ていないものも実際あったりします。
もちろんそれを乗り越えて「気合で着る!」というのも、
モード服を着ることの醍醐味ではあるのですが。
例えば夏のパンツ。
パンツの大原則は『透けないこと』です。
わたしがよく愛用していたモード服の夏パンツ
【その1】
素材…ポリエステル
良い点…とろんとしたしなやかさがあるので、ドレープが出て デザイン性が高く仕上がる
皺になりにくい・アイロン不要
いまいちな点…生地が薄いわりに、通気性が悪く蒸れて暑い
【その2】
素材…サマーウール(ウール100%)
良い点…薄手で通気性がある
いまいちな点…素足ではくとチクチクする。
サマーウールといってもウールなので通気性は有るがやはり暑い
そこで登場するのは通気性が高く、さらっとしているコットン素材。
でも大前提は『透けないこと』なので、どうしても厚手素材になりがちです。
そこで重宝されているのはやはり「デニムパンツ」ですよね。
しかし…
便利だからといって年がら年中デニムを愛用するのはやはり
わたしの反骨精神に背くのです…。
あはは、ただのあまのじゃくとも言うかもしれませんが…。
(あぁ…パンツ。
パンツのおしゃれができれば本当におしゃれになれる気が昨今しています。
現在まだまだ発展途上中。)
そこで、去年わたくしがあみだしたのが「bpパンツ」♪
別名「魔法のパンツ」
そう、薄手の2枚のコットン生地を重ねることで
ほとんど透けず、軽く、涼しい魔法のようなパンツなのです。
黒い方の布は実はガーゼなので、もちろん1枚だと透けてパンツに使用なんてもってのほか
なのですが、本当に不思議ですね。今年もすでに大活躍しています。
コットンなのでどうしても皺にはなりやすいですが、
使い込むとデニム同様風合いも出てきますよ。
ポッケも「両玉ぶち」というがま口みたいなよくジャケットに
使われる形にしていて、一見するとなんでもなく見えますが、
実はさりげなくおしゃれ感があるんですよね~。
ほんと、おしゃれは奥が深いのです。
うふふ。
ああ…
本当は感じていただくことなので、
あんまりべらべらしゃべることではないのですが…
根がおしゃべりなので許してくださいね。
読んでいただいている皆さんのお話などもお聞かせいただけるとうれしいです。
おしゃれ談義いたしましょう!!
ちなみにこの「bpパンツ」はローウエストで腰ではくタイプで、
全体の形はストレートではなく、ゆったりしたスリム型になります。
ちょっと男の子っぽいですよね♪
ぜひぜひこの夏の一着にしてみませんか?
商品の詳細はこちらになります。
2012年6月26日火曜日
弾丸旅行かばん。
この月曜日に用事があり東京にダダダッと行って参りました。
でもどうしても作ったかばんを持っていきたくなり、
夜なべして作ったのがこれです。
リバーシブルです。でもこの下の生地が黒い方を一応表として作ったのですが、
グレーのデニムを下生地に使った裏側のほうが、出来上がりがかわいかったので
こちらを表で使っていました。
裏側予定だったので、こちら側ににポケットがついています。
シンプルなかばんですが、けっこう複数のパーツからできています。
↑これがメインの本体部分で
↑左上から、肩紐芯・肩紐布・本体布裏表用・
下段左に移って、底布裏表用・ポケット布裏表用
そしてすべてのパーツ布の裏に、布を頑丈にする「芯地」という補強の布を貼っているので、
本体パーツ14枚×2(芯地)+2枚(底布にはもう一枚貼った芯地)+2枚(肩紐に入れる芯)=32枚
そう!
なんと32枚ものパーツでできているのです!!
おかばんが高い訳が作るとわかります…ね。
だいたい、裏布は芯地を貼らず薄手のままで作ることが多いのですが、
今回は旅行用でリバーシブルということもあり、頑丈に作ってみました。
この蝶々の横と裏表の柄合わせで苦しみました……作っているとまるでパズルです。
この布は何年か前に神戸の雑貨屋さんで売られていたのですがフランスの布らしいです…(本当かな?)
結構高くて1メーターしか買わなかったので、商品としては作れないのですが…ごめんなさい。
でもかばん作りはいろいろ勉強になります。
これからかばんも作って商品にしていきたいと思っています!
2012年6月22日金曜日
はじめまして。
女子服のデザイン・製作・販売をしていますネットショップ「enrinnen」の
enrinです。読み方は「エンリンネン」です。
女子服と言いましたが、どちらかというとハードな感じが多いです。
男の子みたいな女の子の服が作りたくてお店を始めました。
なのに始めた当初は、山ガールのようなわんぴを作っていたな…うふ。
残念ながらあまり着ていません…作った張本人ですが…。
でも辛いものの中にきらりと甘いものを入れるのが、女子服の
醍醐味!ですよね。
もうだ~いぶ昔の高校生のとき、遠足かなにかのイベント用に
初めてドキドキしながらゴルチエで買ったのは、不思議なおじさんが描かれた
長袖のイラストTシャツでした(ハードだ)。
「変な服だ」とか「(絵図らが)気持ち悪い」とか「そんなの着る気が知れない」と、
異常なまでの家族の反応でした。(ハードすぎてその毒気が怖かったのでしょうね。)
でもわたしにはお気に入りなんです♪
もう小さくて着られないですが、今も箪笥のどこかでおじさんは眠っています。
出てきたらまた紹介しますね。
誰に何を言われても、好きな服を着てください。
好きな服を着るとちょっと強くなれる気がします。
服って不思議です。
最新作のへびTです。
ちょっと強くなれますかね?
商品の詳細はこちらよりご覧いただけます。
それではenrinnenをよろしくお願いいたします。